今回は、苦手に思う子が多い「因数分解」についてです。
そもそも数学があまり好きではない子からすると地獄並に難しい範囲だと思います。
目次
因数分解ってなに?
さて、そもそも因数分解とは何なのでしょうか?
いざ、聞かれてみると意外に分からないと思います。
因数分解とは、足し算や引き算の式を掛け算の式に直すことなのです。
具体例を出して説明していきましょう。
x²+2ax+a²という式があるとします。
こちらを因数分解すると、どうなるでしょう。
正解は、x²+2ax+a²=(x+a)²になります。
大丈夫。今はわからなくても大丈夫です。
左辺、左側にある式x²+2ax+a²は、○+○+○の形でたし算の式になっています。
右辺、右側にある式はどうでしょうか?
(x+a)²=(x+a)×(x+a)となっており、x+aを○としてみれば○×○の掛け算で表せますよね。
このように○+○・・・のたし算を○×○に変えることを因数分解といいます。
次は因数分解の公式を見ていきましょう!
すぐに使える!因数分解の公式
前の項目で因数分解とはなにかについて学びました。
ここでは、実際の公式を見て因数分解を解くイメージをつけましょう!
共通因数があるときの因数分解の公式は?
まずは共通因数の公式を見ていきましょう!
公式を見る前に共通因数について説明します。
共通因数とは、「全ての項にかけられている文字や数字」のことです。
これだけでは、わかりにくいので例を1つ紹介します。
2x+4という式があります。
こちらの共通因数を考えてみてください。
考えましたか?
こちらの共通因数は「2」です。
2x+4の項を確認します。
1つ目の項は「2x」、2つ目の項は「4」となっていますよね。
2xと4どちらにもかけられている数字や文字は、「2」です。
2xは2x÷2=xで2が掛けられていることがわかります。
また4は4÷2=2でこちらも2が掛けられていることがわかります。
そのため共通因数は2となるのです。
共通因数の概要はわかったでしょうか。
因数分解とは、この共通因数を見つけて、カッコで外に出す作業です。
カッコで外に出すというのは、x(2+y)の形をイメージしてください。
2x+4の場合ですと、共通因数は2です。そのためまずは2をカッコで外に出します。
すると、2x+4=2(???)となります。
この???の中にはそれぞれの項を2で割った結果をいれます。
2x÷2=x、4÷2=2となるので2x+4=2(x+2)となります。
これが共通因数があるときの因数分解です。
2乗の因数分解の公式は?
次に因数分解2乗の公式を見ていきます。
公式は、x²+(a+b)x+ab = (x+a)(x+b)です。
(a+b)xの(a+b)を項xの係数、abを式の定数項といいます。
2乗の公式では(x+a)(x+b)の形に因数分解ができるとき、項xの係数はa+bのたし算、定数項はa*bの掛け算になります。
具体例として1つ紹介しましょう。
例:x²+5x+6
この2乗の式を因数分解してみてください。
2乗の因数分解の公式を思い出すと、x²+(a+b)x+ab = (x+a)(x+b)です。
この公式に当てはまる形に式を変形する必要があります。
掛け算が6になる2つの数の組み合わせは、
- 1×6
- 2×3
- (-2)×(-3)
- (-1)×(-6)
の4通りです。
この中から項xの係数が5、つまり2つの数を足して5になる組み合わせを探します。
このとき当てはまるのは、2+3=5だけです。
そのためx²+5x+6を因数分解した結果は、x²+5x+6=(x+2)(x+3)となります。
これが2乗の公式を使った因数分解です。
ちなみに、他の公式として3つ式があります。
- x²+2ax+a²=(x+a)²
- x²-2ax+a²=(x-a)²
- x²-a^2=(x+a)(x-a)
この3つの公式は、上で求めたx²+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)から求められます。
例えばx²+2ax+a²=(x+a)²ならば、2つの数のたし算が2で掛け算がa²の2数求めます。
すると2数はともにaです。
そのためx²+2ax+a²= (x+a)×(x+a)=(x+a)² となます。
3乗の因数分解の公式は?
次に因数分解3乗の公式を見ていきます。
公式はこちらになっています。
- x³+a³=(x+a)(x²-ax+a²)
- x³-a³=(x-a)(x²+ax+a²)
具体例として1つ紹介します。
x³+27y³
この3乗の式を因数分解してみましょう!
3乗の因数分解の公式を思い出すと、x³+a³=(x+a)(x²-ax+a)
この公式に当てはまる形に式を変形する必要があります。
27y³は、3y×3y×3yで表せるので(3y)³です。
よって、x³+27y³=x³+(3y)³なので、3乗の公式に当てはめると、x³+27y³=(x+3y)(x²-3yx+9y²)で因数分解ができます。
これが3乗の公式を使った因数分解です。
これでわかる!因数分解を実際に解いてみよう!
ここでは実際の因数分解をあなたが解いてみましょう!
実際に解くことで理解を深めることができます。
2乗の因数分解を解く!
問.x²-6x-16を因数分解せよ。
答.(x-8)(x+2)
解説
x²-6x-16を因数分するためには、2の数の和が-6かつ積が-16の数を探さなくてはなりません。
積が-16の組み合わせは、5つ。
- (-1)×16
- (-2)×8
- (-4)×4
- (-8)×2
- (-16)×1
この中で2数の和-6の組み合わせは(-8)×2だけです。
よって答えは(x-8)(x+2)となります。
3乗の因数分解を解く!
問.64x³-3を因数分解せよ。
答.(4x-1)(16x²+4x+12)
解説
64x³-1³を因数分解するためには3乗の因数分解の公式を思い出します。
3乗の因数分解の公式は、「x³-a3=(x-a)(x²+ax+a²)」でしたね。
ここで64x³=4x×4x×4x=(4x)³3と式を変形でき、-1=(-1)×(-1)×(-1)=(-1)³と式を変形できます。
よって公式に当てはめることにより、64x³-1³=(4x-1)(16x²+4x+1²)を求められます。
たすき掛けの因数分解を解くコツ!
因数分解を解くときに、たすき掛けという解き方で解く場合があります。
たすき掛けを使うときは、主に3x²+16x+5のように、x²の係数が1ではないときに使います。
公式は、acx²+(ad+bc)x+ab = (ax+b)(cx+d)です。
使い方は簡単。3x²+16x+5を例に見てみましょう。
3x²の項3になる2数の組み合わせは3と1のみです。
定数項が5となる組み合わせは、5と1のみ。
このx²からわかった2数3と1、定数項からわかった5と1を組み合わせることでxの係数16になるように求めます。
この場合、3×5+1×1=16となりますよね。そのため、答えは(3x+1)(x+5)となるのです。
実際に問題を解いてみましょう!
問.5x²+26x+5を因数分解せよ。
答.(5x+1)(x+5)
解説
5x²+26x+5を因数分解するためにはまず、たすき掛けの公式を思い出します。
5x²の項5になる2数の組み合わせは5と1のみです。定数項が5となる組み合わせも、5と1のみ。
このx²からわかった2数5と1、定数項からわかった5と1を組み合わせることでxの係数26になるように求めれば良いのです。
この場合、5×5+1×1=26となります。そのため、答えは(5x+1)(x+5)となるのです。
まとめ
いかがでしょうか?因数分解とは足し算や引き算の式を掛け算の式に直すことです。
2乗の公式は4つありますが、x²+(a+b)x+ab = (x+a)(x+b)を覚えておけば他の公式はいりません。
3乗の公式は2つですが、符号の位置がわからなくなりやすいので注意しましょう!
- x³+a³=(x+a)(x²-ax+a²)
- x³-a³=(x-a)(x²+ax+a²)
たすき掛けは、3x²-8x-16のようにx2の項が1ではないときにつかいます。
因数分解を実際に解いて、いつでも解けるようにしましょう!
講師 砂田
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