進学、就職に最も役に立つ英語系の資格といえば、TOEICです。
TOEICとは、1979年から実施されている「国際コミュニケーション英語能力テスト」の略称で、知識や教養としての英語ではなく、日常生活やグローバルビジネスにおける活きた英語力を測定する、160カ国で実施されている「世界共通の英語テスト」となります。
その特徴は、合否ではなく、最大990点のスコアで評価される点です。
現在世界のグローバル化により、日本でも益々英語力の需要が高まっています。それに伴い、高いTOEICの点数を進学や就職の際に求められることも増えました。
しかし、TOEICは非常に特殊な英語の試験であるため、短い時間で効率良く点数を上げるためには、いくつかポイントが必要になります。
本記事では、私がTOEICで945点を獲得した勉強法のポイントをご紹介します。
参考書や単語帳などは、常に新しく、より良いものが出版され続けておりますので、ここではあえてご紹介しません。
TOEICの点数を伸ばしたいと思っている方々の、少しでもお役に立てれば幸いです。
目次
アウトプットを意識する
人が最も効率良く何かを学ぶための、インプットとアウトプットの黄金比率があります。
それが「インプット3:アウトプット7」です。
インプットとは、「読む・聴く」ことで、アウトプットとは「話す・書く・行動する」ことです。
この比率の根拠は、コロンビア大学の心理学者アーサー・ゲイツ博士の実験だとか。
博士は100以上の子供たちに、人名図鑑に書かれた人物プロフィールを暗唱させました。
覚える時間(インプットの時間)と練習する時間(アウトプットの時間)の割合を変えながら、最も良い結果を出したグループを調べました。
そのグループがまさに、「インプットとアウトプットの比率が3:7」だったグループだったのです。
TOEICの勉強でも、効率良く高い点数を獲得するためには、この比率のバランスを意識して、進めていく必要があります。
多くの人が「英語の勉強」というと、「単語帳を読む」「文法書を読む」というイメージを持っているでしょう。
それはおそらく学校教育の影響です。
しかしこれらの学習方法はどちらも「インプット」です。
これだけをしていても全く成長しません。
では、どのように「アウトプット」を意識して勉強すれば良いのでしょうか?
リスニング、リーディング、それぞれの方法をご紹介します。
リスニングは声に出す
リスニングでアウトプットをする勉強法は、
問題集で解いたリスニング問題を、自分でも正しく発音できるまで声に出して練習することです。
この際、英文を聴き終えてから繰り返す「リピート練習」だけではなく、
英語を聴きながらそれをすぐに真似して発音する「シャドーイング練習」も取り入れてください。
ネイティブの音声と同じペースで自分が話せるようになると、リスニング力は大幅に向上します。
また、自分自身でその音を発音できるようになると、「リエゾン」を理解できるようになります。
リエゾンとは、単語を単独で読む場合には発音されない語尾の子音が、次の語頭の母音に繋がって発音されることを指します。
例えば、check、it、outとそれぞれバラバラで発音する時と、check it outと一つの文章で読む時では発音が異なります。
自分自身で声に出して英語を読まないと、この違いに気づくことができません。
リーディングは日記を書いて練習
リーディングの問題集を解いて、間違ってしまった問題。
そこで間違えた単語や文法を使って、自分で文章を作りましょう。
特におすすめしたいことは、「日記」を書くことです。
毎日短くても良いので、文章を書く習慣を付けてください。
また、自分しかその文章を見る人がいないとなると、緊張感がありませんので、
思い切って友達に送ってみたり、SNSでシェアしてみましょう。
私自身は、毎日勉強して間違えた部分を、ブログに書くようにしていました。
そしてリスニングとリーディング、どちらの成長にも効果があるのが「オンライン英会話」です。
ぜひオンライン英会話を活用して、失敗して学んだことを、アウトプットしてみてください。
今では無料で使えるコンテンツも豊富にありますので、積極的に活用しましょう。
負荷を増やす
「高地トレーニング」をご存知でしょうか?
アスリートなどが、人間の環境への適応能力を生かした、運動能力向上を目的に行うトレーニング法です。
標高約1,500~3,000mほどの高さで、通常よりも負荷がかかる低圧、低酸素、低温な環境に体を慣らすことにより、パフォーマンスを向上させる事ができます。
TOEICの勉強法にも、この発想を取り入れると効果的です。
特にTOEICは試験時間がとても短いため、問題を素早く解くことが重要になってきます。
2~3倍の速さでリスニング
リスニング教材が流れるスピードを、2〜3倍にしてください。
そのスピードで聞き取れるようになれれば、本番の試験では全く問題ありません。
半分の時間で問題を解く
リーティングの問題を解く時間は、試験では約75分間あります。
自分で問題集などを解く際には、この半分の約35分ほどで解くようにしてください。
そして間に合わなかった場合、何が問題で時間がかかってしまっているのか、
昔と比べてスコアはどこまで上がっているのか、を必ず記録しましょう。
また、考えて3秒以内に日本語訳が出てこない単語は、「ちゃんと覚えていない」として、復習しましょう。
TOEICでは時間がないため、いかに早く単語の意味を理解するか、という力が試されます。
「5秒かかったけど、最終的には思い出せたから覚えている」は覚えていないと思いましょう。
日常生活に落とし込む
最終的には、毎日の生活の中でどれだけ英語に触れることができるかが、高得点を獲得できるか否かの分かれ目になります。
そのために一日のスケジュール、生活環境を工夫しましょう。
常に英語を聞く
身支度をしている時間、通勤・通学の時間、家事をしている時間、
全ての空き時間で、とにかく英語を聴くようにしましょう。
ただし、ずっと集中して聴く必要はありません。
ただ聞き流しているだけでも、私たちの頭は少しずつ英語に慣れてきます。
ここで注意点ですが、ずっと試験のリスニングだけを聴くのはやめておきましょう。疲れます。
たまに洋楽等を聞くようにしてください。これでリラックスできますよ。
ちなみに洋楽を聴くようになると、先で説明したリエゾンの理解力も上がるので、リスニング力の底上げにつながります。
また、もし画面を見なくても楽しめる方であれば、映画の音声だけを聴くこともおすすめ。
TOEICのリスニング問題のほとんどが、対話形式となります。
つまり一方的に話しているような形式ではなく、二人以上の登場人物の対話がある映画では、TOEICに特に必要なリスニング力を上げることが可能なのです。
ここでも注意するべき点がありますが、アクション映画はやめておきましょう。当たり前ですが、会話が少ないからです。笑
比較的会話量の多いミステリー、コメディ、恋愛のジャンルでお好きな映画を探してみてください。
常に英語を目に入れる
とにかく英語を目に入れる機会を増やしましょう。
家の中にある物に、その物の英語名を書いた付箋を貼るのが効果的です。
冷蔵庫にrefridgerator、洗濯機にwashing machineのように。
そしてさらにおすすめなのは、トイレと洗面所に「勉強中に間違えた単語や文法を書いた紙を貼る」ことです。
こうした、自分がしばらくじっとしているような場所から見えるところに英語を書いておくことで、
無駄な時間を減らして、復習することができます。
まとめ
本記事では、私がTOEICで945点を獲得した勉強法のポイントをご紹介しました。
「アウトプットを意識する」「負荷を増やす」そして「日常に落とし込む」という三つのポイントと、それぞれ「リスニング」と「リーディング」の勉強のために、具体的にできることをお伝えしました。
しかしこうしたポイントは、知っていても結局は努力が必要なものばかりです。
効率良く結果を出す方法はあっても、楽をして結果を出す方法はありません。
継続して努力をするためにまずは、英語の学習を楽しむことを心がけましょう。
なるべく具体的に、自分がTOEICで高得点を獲得すれば人生がどのように良くなるか、イメージしてみてください。行きたい学校に行けるのか、働きたい会社で働けるのか、様々な可能性があると思います。
本記事が、少しでもみなさんがTOEICで望むスコアを出すための参考になれれば幸いです。
講師 砂田
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