およそ、数学が得意な子でも一度は立ち止まってしまう連立方程式。
また連立方程式の中でも、文章題はさらに厄介です。
今回は連立方程式の文章題を解く際に、理解しやすい手順をお教えします。
目次
連立方程式の文章題を解く上での前提
さて、今から連立方程式の文章題をうまく解くための手順を説明するわけですが、その前に抑えておきたいことがあります。
それは、「求めたい文字の数だけ式がいる」ということです。
知っている子からすると、「何を当たり前なことを」と思われるかもしれませんが、案外この事を忘れがち。
必ず頭にいれておいてください。
例えば問題文に、「ミカンとリンゴの数をそれぞれ求めなさい。」と書いてあるとします。
求めたいのはミカンの数とリンゴの数の2つなので、求めたいミカンの数とリンゴの数をそれぞれXとYとし、これらの答えを出すためには式が2つ必要になるということです。
実際に解いてみよう!手順をご紹介
ここからは例題を解きながら手順をお教えします。
例題:1個100円と60円の飴を合計19粒購入し、1420円支払った。それぞれ飴を何粒購入したでしょうか。
手順1 求めたいものを文字で置く
今回は100円と60円の飴の「個数」を求めたいので、それぞれの「個数」をXとYでおきます。
※答えとして知りたいものを文字に変換
手順2 式を何個立てるか確認する
今回文字は、XとYの2つなので、式を2つ立てる必要があります。
手順3 右辺から式を立てる
通常、連立方程式の右辺は合計が来るので、先に合計を求めます。
今回の場合、合計の個数が19粒で、合計の値段が1420円とわかっているので、それを式に書きましょう。
=19(合計の粒数)……①
=1420(合計の金額)……②
手順4 単位をそろえて左辺の式を立てる
今回、上に19と粒数を置いたので、上には粒数に関しての式を、
下には1420円と書いたので、下には金額に関しての式をXとYを用いて立てなければなりません。
ここでそれぞれXとYが、何かを改めて確認します。
XとYはそれぞれ
X…(100円の飴の粒数) Y…(60円の飴の粒数)
でした。
①式は右辺の単位が合計の粒数で、左辺の単位もそれぞれの粒数なのでそのまま式を立てることができます。
X(100円の飴の粒数)+Y(60円の飴の粒数)=19(合計の粒数)…①
一方②式にXとYをそのまま使うと、
X(100円の飴の粒数)+Y(60円の飴の粒数)=1420(合計の金額)
となり、単位が異なります。
なので単位を合わせなくてはなりません。
右辺が合計の金額なら、左辺も合計の金額にする必要があるのです。
100円の飴の合計の金額は(一個当たりの価格×個数)すなわち100Xと表せます。
同様に60円の飴の合計の金額は60Yと表せます。
これで
100X(100円の飴の合計金額)+60Y(60円の飴の合計金額)=1420(合計の金額)…②
となり、単位が一致しました。
以上から
X+Y=19…①
100X+60Y=1420…②
という2つの式が求まり、あとはこれを解くことで答えを出せます。
答えは、X=7,Y=12です。
どうでしょうか。解けましたか?
それではもう一問解いてみましょう!
例題をもう一問解いてみよう
問題1:太郎さんは正解すると10点、間違えると5点もらえる問題を全部で20問解きました。その結果、太郎さんの点数は165点でした。太郎さんは何問正解したでしょうか。
手順1 求めたいものを文字で置く
今回は正解の問題数を求められているので、正解した問題数をX間違えた問題数をYと置きます。
手順2 式を何個立てるか確認する
今回もわからないものが2つなので、式も2つ立てる必要がありますよね。
手順3 右辺から式を立てる
今回、合計としてわかっているのが問題数と合計の得点なので、それらを右辺に持っていきます。
=20(問題数の合計)…①
=165(合計の得点) …②
手順4 単位をそろえて左辺の式を立てる
Xが正解した問題数,Yが間違えた問題数なので、
①式は
X(正解した問題数)+Y(間違えた問題数)=20(問題数の合計)…①
となります。
②式では右辺が合計の得点なので、左辺もそれぞれの合計の得点にします。
10X(正解した問題の合計点)+5Y(間違えた問題の合計点)=165(合計の得点)…②
あとはこの2つの式を連立。
X+Y=20…①
10X+5Y=165…②
後はこれを解くとX=13,Y=7となります。
まとめ
今回、連立方程式を上手に解くための手順を各ポイントにわけて説明してきました。
おさらいをすると、以下となります。
- 手順1 求めたいものを文字で置く
- 手順2 式を何個立てるか確認する
- 手順3 右辺から式を立てる
- 手順4 単位をそろえて左辺の式を立てる
以上の手順を必ず覚えてください。
あと注意として、自分がどの単位についての式を立てているのかを常に意識するようにしてください。
今、解けないとしても必ず解けるようになります。がんばって!
講師 砂田
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