関係代名詞は、形容詞の役割をする関係代名詞節を作り、先行詞となる名詞を修飾するための働きをします。
例えば「the girl who is playing the piano」であれば、「ピアノを弾いている女の子」ということで、関係代名詞節who以下が、先行詞the girlを修飾しているのです。
the girl(先行詞) who(関係代名詞) is playing the piano.
このように、ちょっと長めの形容を受ける名詞を含む、より高度な文章を表せる文法事項です。
使えるようにするための方法や知識を、この記事ではまとめたいと思います。
※当記事は、最低限の関係代名詞における用語(主格や代名詞など)・知識がある方に向けて配信しています
目次
関係代名詞の練習法
昔から言われる「二つの文を一文にする」「関係代名詞を含む一文を、二つの文にバラす」という練習方法が、習得にはやはり最適です。
この基本のやり方を、改めて噛み砕いてみましょう。
その前に、関係代名詞の格変化については、完璧に覚えておいて下さいね。
二つの文を一文にする
では、「I know the boy.」と「He stands by the door.」の二文を、一文にすることを考えてみましょう。
こういう練習で二文と言っているものは、そのどちらか一方の文が「先行詞」となる語を含み、もう一方はそれを修飾するよう丸ごと関係代名詞節に変わるものとなっています。
なので、まずはそれらについて見定めていきましょう。
各文を訳してみると、両者で共通項となっている語があるはずですが、そのうちどちらかが先行詞です。
この例では、訳は「私はその少年を知っています」「彼はドアの側に立っています」で、両者間で少年と彼という語が共通項と見えます。
そこで試しにthe boyを先行詞とし、heからの文をその修飾節と捉え、「ドアの側に立っている少年」という意味を考えてみると、これは良さそうですよね。
※この時点でよく分からん!という方は、再度、始めから読み直してください
なので、heを関係代名詞whoに変え、関係代名詞節「who stands by the door」を作り、先行詞の直後に持っていきましょう。
どうして先行詞の後ろへ置くかと言えば、形容詞の働きをするものは二語以上なら後置修飾(後ろに配置して、前の単語を修飾)というルールがあるからです。
これで「I know the boy who stands by the door.」(私はドアの側に立っているその少年を知っています。)という一文が出来上がりました。
ちなみにHeを先行詞と見立て、「私の知っている彼がドアの側に立っている」という文章にしても勿論正解です。
ただこういう場合、文脈上の条件や問題の指示により、どちらか一方に答えが絞れる場合は多々あります。そういうことから言っても、関係詞を含む文を作る際は、必ず訳のことを考えて作りましょう。
一文を二文にバラす
今度は一文を二文にバラす練習です。
上で作ったI know the boy who stands by the door.を使いやってみましょう。
この際は、「関係詞節」とそれ以外の部分を分けることを考えます。
今、文中にて、「who stands by the door」を取れば「I know the boy」が残りますよね。
その後、関係詞節の方をきちんと文として直すために、whoを、the boyに戻して書けばほとんど完成です。
ただthe boyは、二度目に出てくる語と見なし、代名詞化するのが基本です。
また主格だったということを考え、ここはHeと書いておけばベストですね。(代名詞や主格といった言葉が分からない場合は、この記事から読もう)
そのため「I know the boy.」と、「He stands by the door.」に分けるのが正解です。(「The boy stands by the door.」と「I know him.」としても勿論可)
これらの二つのステップのうち、一方を端折らず、両方を練習することが、最終的に関係代名詞をマスターするコツとなります。
他にも例題を載せてみましょう。
では、二文を一文にしてください。
- He often wears a sweater. と Its design is bold.
- I'll visit the house. と I lived in the house once.
答えはそれぞれ、
- He often wears a sweater whose design is bold.
- I'll visit the house which I lived in once.(これはI'll visit the house in which I lived once.と書いてもOK)
です。
どうですか?合っていましたか?
これをまた二文にバラす練習もして下さいね。
関係詞節の中身は、関係詞に変えた語を節の文頭に持って来て、残りをそのままの語順にするのが詳細な作り方です。
その際、関係詞が所有格の場合などに、意味のまとまり全部ごとを移動させる(この例ならwhose designをひとまとまりとして離さない)ことに注意してください。
もう一つの関係代名詞の用法(非制限用法)
上で見てきた関係代名詞の使い方は、制限用法と言いますが、これに対し非制限用法というものもあります。
His way of thinking is too old,which always annoys me.のように、「関係代名詞」の形で使われ、先行詞はカンマ以前のどこかにある語、またはそこまでの内容全てとなります。
そこの判別は、やはり与えられた文を一々きちんと訳しながらやる他ありません。
この例では、カンマ以前の内容全てが先行詞で、「彼の考え方は古すぎで、そのことがいつも私をいらつかせる。」と訳します。
最後に:一部の例外(基本で習わない事)は暗記しよう
最後に、関係代名詞を完璧にマスターするため、基本的な使い方とは少し違う例外(基本で習わない事)を箇条書きにて書いておきます。
それが以下です。
- whoやwhichは、thatで置き換えられますが、非制限用法や前置詞+関係代名詞と書く用法では、thatに置き換えられません
- 反対に先行詞にall、the onlyなど、限定的意味合いを付す語がある時は、thatの方を用います
- whatという関係代名詞について、what S+V = the thing which S+V、「SがVする物(or事)」と訳します
- 関係詞節があまりに長い場合、先行詞の直後でなく、文末へ回して置くことがあります
これら一部の例外を覚えておくことで、よりスムーズに関係代名詞の問題を解くことが可能です。ぜひご参考ください。
講師 砂田
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