中学2年生で主に学習する「関数」ですが、中学1年生の時に「比例・反比例」、中学3年生で「二次関数」を学習し、さらに高校生になっても関数の勉強からは逃げることができません。
そんな関数を教えている立場として、よく聞くのが、中学1年生の時の「比例・反比例」までは理解できたけれど、中学2年生になって出てきた「一次関数」からついていけなくなった、というものです。
皆さんはどうですか?
理解できているでしょうか。
今回は、今後の関数人生で苦労しないよう、一次関数をマスターするためのちょっとしたコツをご紹介します。
目次
一次関数が苦手な人のパターン
一次関数の問題が苦手な人に多いのは、問題文を読んで一次関数の問題だと分かった途端、諦めてしまうパターンです。
これでは一生かかっても解けるようにはなりません。
問題文にこそ問題をとくカギは隠されています。
一次関数の基本問題では、ほとんど一次関数の公式に数値を入れていくだけで解けてしまうものが多いので、解き方のコツさえマスターすれば簡単に解けるようになりますよ。
実践!一次関数を解くためのポイントと4つのパターン
それではさっそくそのコツを紹介していきます。
まず、私がいつも指導しているのは、問題文中に「一次関数」や「直線」といったキーワードが出てきた場合、余白に、(解答欄でもかまいません)「y=ax+b」と書き込みましょう!ということです。
これは口うるさく言い続けています。
この一次関数の公式は覚えておく必要がありますが、テストが始まる直前でもかまいません、これをどこかに書き込んでしまえば、あとは問題文に記載されている数値を当てはめていくだけです。
(すでに覚えている人は、もちろん書かなくて大丈夫)
では、次に書きこんだ「y=ax+b」のどこにどの数値をあてはめていくか、ということですが、これにもパターンがあります。
たった4つなので、ぜひ覚えてください。
- 「変化の割合」、「傾き」という言葉があったらaにあてはめる。
- 「切片」という言葉があったらbにあてはめる。
- x=〇、y=〇とあったらそれはそのままx、yに代入する。
- 点(〇、〇)とあったら順にx、yに代入する。
以上、たったこれだけです。
公式と、この4パターンさえ覚えておけば、基本問題が簡単に解けるようになっていきます。
では、上述したコツを使って実際にいくつか問題を解いてみましょう!
例題で試す!3つの基本問題
【問題】 次の一次関数を求めなさい。
- 変化の割合が3で、切片が4である直線の式
- 変化の割合が2で、x=1、y=8を通る直線の式
- 点(3、-4)を通り、切片8がの直線の式
上記、3つの問題を解いてみましょう。
【解答】変化の割合が3で、切片が4である直線の式
これはパターン1、2を利用する問題ですね。
先ほど言ったとおり、まず最初に、「y=ax+b」を書き込みましょう。
そしてaに3、bに4を入れてみると、
はい、これで終わり。y=3x+4となり、これが答えとなります。簡単ですよね。
【解答】変化の割合が2で、x=1、y=8を通る直線の式
次はパターン1、3を利用する問題です。
ここでもまず必ず「y=ax+b」を書き込みます。
そして、先程と同様aに2を入れ、x=1、y=8を代入してください。
8=2×1+b
b=6となり、公式にb=6を戻してやると、y=2x+6となり、これが答えです。
【解答】点(3、-4)を通り、切片8がの直線の式
最後はパターン4を使った問題です。
何度も言っていますが、まずは「y=ax+b」を書き込みましょう。
そして、xに3、yに-4を代入し、bには8が入りますね。
-4=3a+8
a=-4となり、公式にa=-4を戻してやると、y=-4x+8となります。これが答えです。
どうでしたか?簡単でしたよね。
この解き方のコツさえ覚え、パターンをしっかりと見極められれば、基本問題に関しては絶対に解けるようになります。
応用問題!少し手を加えるだけで解ける
では、この調子で少しだけ応用問題にも触れてみましょう。難しいことはありませんよ。
先程紹介したコツがマスターできていれば、少し手を加えるだけで解けてしまいます。
それでは、実際に問題を解きながら説明していきますね。
【応用問題】
2点(2、6)、(8、3)を通る直線の式を求めなさい。
【解答】2点(2、6)、(8、3)を通る直線の式
まず最初に、今回の問題は今まで学んできたどのパターンにあてはまるか考えてみましょう。
おそらくパターン4が、もっとも適している、ということは皆さんわかりますよね。
では、実際パターン4を利用して解いていきましょう。
y=ax+b ここでもみなさん、忘れず公式を最初に書けていますか?
(2、6)をそれぞれxとyに代入。
6=2a+b…①
(8、3)も同様にxとyに代入。
3=8a+b…②
基本問題と違う点は、文字が2つ残ってしまい直線の式が出てこない!ということです。
しかし、心配はいりません。文字が2つ残ったときは〇〇をしてください。
その〇〇とは、代入(連立方程式)です。
これによって、答えが出てきます。
文字が2つ残った場合は、連立方程式を使おう
②を連立方程式によって解いてみましょう。
すると、a=-1/2、b=7と出てきます。
それを元の公式にあてはめると、y=-1/2x+7となり、これが答えです。
実はこの問題、この方法以外にも解き方はあるのですが、今回はマスターしたコツを使っての解き方の紹介だけにしておきます。(次回書きますね)
まとめ:一次関数から逃げないで!踏ん張れ
このように、一次関数の基本問題は、ちょっとしたコツを覚えるだけで解けるようになっています。
応用問題に関しても、たくさんの問題をこなすことによって解けるようになるはずです。
関数は、中学数学、受験数学において肝といっても過言ではない分野です。
その基本となる一次関数、数学で高得点を狙うなら必ずマスターするようにしましょう。
テストまでもう時間が無い!という方も絶対に諦めてはいけません。
今回紹介したパターンを覚え(もちろん公式も)、再度踏ん張りましょう!がんばれ。
講師 砂田
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